先週の土曜日、高教組の春闘学習交流集会に参加した。ご参加の皆様、お疲れさまでした。
午前、午後、併せて2本の講演を聞いたが、いずれもテーマは「主権者教育」に関わるもの。講演者は、午前・名古屋大の中嶋哲彦教授、午後・富山北部高校の亀澤政喜氏だった。
いずれの講演にもハッとさせられる点が多く、実によかった。特に亀澤氏の講演は、実践に基づく優れたものと感じた。
氏は、近年、イタイイタイ病研究に取り組み、「間違った事を変えようとする市民の声の重要さ」を講演で指摘した。そして、主権者教育のスタート地点を、「正しいこと(間違ったこと)に気づく、感じ取る「センス」を育てる」ことと規定した。これは実に重要な指摘である。生徒たちに、このような「センス」を育てることなしに、いくら「知識」を流入しても、真の主権者教育とはならないだろう。このような「センス」の育成とともに「知識」を増すことで、「社会の不条理とは何かを知り、それを変えようと願い、声をあげ、投票する」という一連の行動が初めて生まれる。主権者教育の要とは、亀澤氏が指摘するように「気づく、感じるセンス」の育成であろう。そのためには、まず、私たち教員自身がそのような「センス」を日々養わなくてはなるまい。
実に佳い講演だった。今後の主権者教育への道筋が、また一本見えた感じだ。有り難う、亀澤さん。