新日本婦人の会、富山市教組、高岡市教組、富山高教組が中心となって「2013年ゆきとどいた教育をすすめる富山の会」を結成。
東京でのスタート集会(7/12)
25回目となる「2013年ゆきとどいた教育を求める全国署名」スタート集会が東京都内で行われ、保護者・教職員・高校生を含め、全体で300人が参加。24年間で約4億2000万人から署名が寄せられ、国や自治体に教育条件整備をすすめさせてきた経験に確信をもち、勇気を持って足を踏み出そう」と呼びかけました。
富山でのスタート集会(8/21)
「ゆきとどいた教育をすすめる富山の会」に、新日本婦人の会、富山市教組、高岡市教組、高教組などが結集して「2013年ゆきとどいた教育を求める全国署名」スタート集会を行いました。高教組から教育問題や署名行動の意義について説明。
「教育の抱える深刻な現状をもっと皆さんに語って理解の輪を広げるべき」と参加者から決意がなされました。その後、参加者はマリエ前で署名宣伝行動を行い、国による教育予算の増額や少人数学級の必要性を呼びかけました。
執行部では、各高等学校の教職員や富山県全県の小中学校のPTAや県P連、高P連など保護者、そして校長会、富山県教育委員会や県内の労働組合など幅広く署名の呼びかけを行いました。
執行部ではさらに、教育全国署名行動を通じて、日本や富山の教育についての問題や署名行動の意義について丁寧な説明を行ってきました。
~教育全国署名の意義~
私たちの「権利」は「憲法や様々な法律で守られている」と思っています。しかし、黙っていては、「権利」が保障されないのが現実です。
国や地方公共団体に対して、請願署名という方法で、希望を伝えることができます。1人では実現しないことも、一人ひとりの声を集めて大きな力にすることができます。
~教育全国署名の成果~
私たちは、各地の教職員と保護者が中心となって、「ゆきとどいた教育をすすめる会」を結成し、毎年、教育全国署名行動を行い、国や各自治体に教育条件整備をすすめる力となってきました。
少人数学級についても、戦後、50人学級から、45人学級、40人学級、そして、35人学級へとすすめてきました。
富山県でも、国が基準としている、小学校1年生、2年生での35人学級と、中学校1年生での35人学級(選択制)が実現しました。
多くの自治体が、少人数学級の重要性を認識し、国基準を超えて各自治体独自ですすめてきています。
今年の学力テストは、悉皆調査で行われました。富山県の生徒の成績が昨年度のデータと比べて、順位が下がったと論議がありましたが、決して低い成績ではありません。
ただこのような事実もあります。
順位の上がった全ての上位の県は、自治体の責任で少人数学級をすすめています。その中での、富山県の生徒の成績はとても輝かしいものといえましょう。
そもそも、学力テストで、グローバル化に対応する真の学力(出会ったこともないような出来事に対応する力など)を測ることができるかは疑問ですが・・・・
そして、国(現政権)は、2013年度に文科省(昨年度の概算要求)で、すすめられていた国の「35人以下学級」前進を見送りました。
富山のような、国基準の県は、ますます少人数学級をすすめていけない状況にあります。
~日本の教育についての問題~
日本の公財政教育支出の対GDP比は3.6%でOECD諸国平均の5.4%にくらべて低く最低の水準です。せめてOECD諸国平均なみに引き上げて教育条件整備をすすめるべきです。
この教育予算の差は次のように日本の教育環境を悪くさせています。
1学級あたりの生徒数を、日本とOECD諸国とで比較すると、この差に驚きます!
教育費の国際比較では、高校で授業料が無償でないのは、OECD諸国の中で、イタリア、ポルトガル、韓国、日本の4か国だったのです。今では国際的には、教育(鉛筆、ノート、教科書、給食費、交通費、授業料、・・・・と教育にかかる全ての費用)の無償化が主流です。2012年にようやく、日本でも高校授業料無償化が決まりました。しかし、2014年4月から、この制度は廃止され、あらたに、奨学のための給付金制度となり、所得制限が入りました。「社会全体で子どもを育てる」という理念から大きく外れた制度です。
また、大学に行く費用は国際比較すると、日本ではとてもお金がかかります。奨学金を借りている生徒も多いようですが、大学卒業時には多額の借金となって、仕事を始めたばかりの若者を苦しめることになります。
障害児学校の設置基準がないために、落ち着いた環境で学校生活を送れないでいる子どもたちがいます。ぜひ正しい環境で学べる設置基準を求めていきましょう。
すべての国民は「ひとしく教育を受ける権利」があると、憲法26条にあるように、教育全国署名行動を通じて、日本に「いきとどいた教育」が保障されるよう、理解の輪を広げていきましょう。
県議会への署名提出(11/27)
11月27日には、「ゆきとどいた教育をすすめる富山の会」で集約された16196筆の署名を県議会に提出しました。同席した保護者からは、富山で少人数学級の整備が遅れていることに触れ、「小2から小3に進級し40人学級になることへの不安は大きい。少人数学級をできるだけ多くの学年ですすめてほしい」と強い要望が出されました。執行部では、県議会各会派へも教育の諸問題や署名行動の意義について丁寧な説明を行なってきました。今年度は、田尻・火爪・笠井・海老各議員の四名(昨年二名)に紹介議員になっていただき、この運動を支える大きな力となることは間違いありません。
職場でのとりくみ
一方、職場では多忙化で、このとりくみが今広がりにくくなっているのも現実です。組合員一人あたりの目標を30筆から20筆に変更し、「100%を達成した分会にはフルーツ盛り合わせのプレゼント」という少し嬉しい企画も盛り込みました。入善分会や小矢部園芸分会が100%を超える署名集約を果たしました。
入善分会では、分会の仲間はもちろん、幅広い人脈への力強い呼びかけで、署名数を飛躍的に増やし、132%を達成しました。小矢部園芸分会は、組合員が10名と小さな分会であるにも関わらず、128%を達成し、私たちの活動への大きな励ましとなりました。
12月の東京での集約集会
12月の東京での集約集会で、富山の署名数は、私立高校の集約数と合わせて、3万筆を超え、日本全体では、現時点で七百万筆を越える署名数となっています。集会の最後に「日本の国が教育にお金をかけないことで、子どもたち、保護者、教職員、そして日本の社会全体が苦しんでいる。なんとしても国の教育予算の増額を求めていかねばなりません!」と決意がなされました。国会への署名提出は3月です。国提出の署名行動をさらに展開し、教育に起こっている問題にともに向き合える仲間を増やしていきましょう。