古い友だちならば皆知っているが、私は15年以上前にうつ病に罹患し、1年ほど休職した事がある。
先週の金曜日、富山市内の高校の放送部員が「教員の多忙化と心の病」というテーマで、私を取材に来てくれた。約1時間ほど、うつ病罹患当時のことなどを語った。
インタビューの最中に、「うつ病にかからない方法は何ですか?」と聞かれたのだが、うまく答えることが出来なかった。個人的な問題、組織の構造が抱える問題、時代の風潮など様々な要素があるからだ。しかし、概ね次のように答えた。
「本当に、いまの学校には仕事が多いです。でも、全ての人間にとって『1日は24時間』です。だから、教員の仕事の内容を根本的に見直して、出来ない仕事は『出来ない!』と声をあげることが必要です。『あれも、これも』ではなくて、『あれか、これか』の選択が重要です。また、教員の多くの仕事は、本来的に、独りではなくチームでやるものです。だから、自分独りだけで仕事を抱え込まないことが肝要です。ところで、人間は自分独りだけでは生きていませんよね。家族と共に生きている。だからこそ、『自分だけの人生』を送ってはいけないと思います。趣味や読書、自分の勉強などに打ち込む時間も必要です。教員が、学校という狭い世界しか知らないと、なかなか伸びることが難しい。仕事のメリハリも大事かな。ちなみに、僕のモットーは『短時間集中』ですけど」
う~ん、昔の自分に言い聞かせたい言葉だ。昔は「天上天下唯我独尊」的に自分の仕事だけで生きてきた。その結果のうつ病罹患である。イカンことであった。
この取材で、若い高校生諸君にロートルの私の想いが如何ほど伝わったかは疑問だ。しかし、昔の自分の愚かさを思い出させてくれ、今の教員の働き方を考えさせてくれた、彼ら彼女ら放送部員に深く感謝したい。