昨・日曜日、この歳になって「受験」を行った。まあ、試験と言っても詩吟の昇段試験ではあるが。
しかし、いくつになっても受験は緊張する。約30名の受験者の概ねは緊張し、吟の詞を忘れてしまう方々が多かった。不肖私も1箇所、アタマが空白になろうとした場面があったが、審査員席の師匠が慌てて詞を呟いてくれ、何とか凌いだ。
今回の昇段試験の吟は、中唐の廬綸(ろりん)が作った『長安春望』という七言律詩。この詞の内容は、「儒学者として世に活躍しようと思っていたのに、戦乱の世の中で上手くゆかず、独り不遇の身となってアタマが禿げるまでに年老いた」という一種の恨み節だ。若い頃に学者を目指していた私にも、やや当てはまる恨み節に思われ、共感するところが多い。
さて、受験の方は多少の手応えも感じ、まあ満足に終わった。次の審査は1年後だ。「また新たな吟に挑戦せねばならぬ」と思っている。