書記長日記

61回目の夏

いよいよ夏が来る。満60歳の私にとって、今夏は、生まれてから61回目の夏となる。

夏と言えば思い出す詩がある。谷川俊太郎の「ネロ-愛された小さな犬に」だ。以下に一部抜粋で引用する。

ネロ

もうじき又夏がやってくる

お前の舌 お前の眼 お前の昼寝姿が

今はっきりと僕の前によみがえる

お前はたった二回程夏を知っただけだった

僕はもう十八回の夏を知っている(中略)

 

新しい夏がやってくる

そして新しいいろいろのことを僕は知ってゆく

美しいこと みにくいこと 僕を元気づけてくれるようなこと 僕をかなしくするようなこと

そして僕は質問する

いったい何だろう

いったい何故だろう

いったいどうするべきなのだろうと(後略)

高校時代の国語の教科書で習った。当時は「教科書にしては粋な詩だ」と思った位だったが、その後、ずっと記憶に残っている。

新しい夏の到来は、若者たちの心を奮い立たせる。私はもう60回もの夏を経験している老齢の身ではあるのだが、新しい夏を迎える気持ちは若者の頃と変わらない。まだまだ新しいことを知りたい。そして、「いったい何だろう いったい何故だろう いったいどうするべきなのだろう」と問いかけたい。

さあ、新しい夏を迎える。今年も新鮮な気持ちでそれを迎えたい。

 

 

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