書記長日記

高校シンポジウムに参加

週末は、愛知で開催された高校シンポジウムに参加した。

初日は全体会。「主権者として生きる力の獲得」と題した中嶋哲彦(名古屋大学)講演を聞く。中嶋氏の話にはいつも納得させられる。彼は、「学校知(=学校で教えられている知識)の現状」として、それらが「現実的文脈から切断」され「知・技能のクイズ化」が進んでいると指摘する。「なぜこれを学ぶのか?」「これを学ぶことと現実社会の繋がりは具体的に何なのか?」という根源的な問いかけを欠いた知識の押しつけに意味は薄い。少なくとも、その知によって「モノを考えよう」とか、「現実を批判しよう」という態度は生まれないだろう。また、氏は、若者を取り巻く厳しい社会的環境が進む中で、若者の政治参加の主体的条件が未成熟だと説く。つまり、いま、多くの若者は「自己啓発、忍耐・努力・体制順応」によって「問題解決」を図っているのだ。そこには批判や行動の観点が無い。だが、このような状況は、独り若者だけではなく、我々大人にも当てはまるだろう。反省しつつ、大いにモノを考えさせられた中嶋講演だった。

全体会の後は、犬山市に移動。夜はホテルで大懇親会。2日目は、4つの分科会に分かれて学ぶ。私は分科会の司会を担当した。ともあれ、多くを学んだシンポジウムだった。

ところで、私は前泊して名古屋に泊まったのだが、その日の夕方に桑名市に出張った。「その手は桑名の、焼き蛤~」の、あの桑名である。夜の見知らぬ街の中華店でソバを食したのだが、誠に旅情が溢れた(さすが桑名だ、「蛤ラーメン」なる麺もあった)。犬山会場でも、木曽川沿いの落ち着いた景色を堪能出来た。実に旅は佳きモノである。学びつつ、訪問しつつ、(加えて、飲みつつ)旅を続けたいものである。

▲ このページの先頭にもどる

© 2014 - 2024 富山県高等学校教職員組合