書記長日記

人間

こんにちは、TKDです。

明日から定期大会です。今週前半は準備できつかったですね。ただ、前日の今日は結構余裕がありました。何か忘れている嫌な予感がします。

大会と言えば、長野高教組の定期大会の大会宣言がすごいです。伊坂幸太郎の『マリアビートル』の中の1節から始まります。

―多くの統治者たちはそれを得意とする。自分たちの意図を隠し、つまりは、その列車の終着駅については伏せたまま、乗客をごく自然に移送していく。途中で停車した駅で、乗客は降りることもできるのだが、そのことには気づかせない。自然を装い、列車を通過させる。人々が、「あの時、あそこで降りていれば」と後悔したときにはすでに遅い。虐殺にしろ、戦争にしろ、そして、自分たちには何のメリットもない法改正にしろ、そのほとんどは「気づいたときにはそうなっていた」のであり、「こうなると分かっていたら、抵抗していた」となる。―

maria beetle書記次長が長野高教組の新聞から発見して「これが大会宣言!?」とビックリして教えてくれました。私がショックだったのは、その1節が作品のどこにあったかを思い出せないこと。もう一度読み返しているのですが、発見できません。とっても悔しい。定期大会の翌日は全教の中央委員会なので、そこで長野高の人に教えてもらおうかな。でも、それも悔しいし…。

さて、今日は月の最後の木曜日。朝日新聞に「論壇時評」が載る日です。高橋源一郎は『アナ雪』を見てきたことから書き起こします。(なんのことか分かりますよね? ちなみに私は見ていません。)そして、中森明夫が「雪の女王とは何か? 自らの能力を制御なく発揮する女のことだ。幼い頃、思いきり能力を発揮した女たちは、ある日、『そんなことは女の子らしくないからやめなさい』と禁止される。傷ついた彼女らは、自らの能力(=魔力)を封印して、凡庸な少女アナとして生きるしかない。王子様を待つことだけを強いられる」が書いていることを紹介。さらに、中森が思い浮かべる「魔力を封じられた雪の女王」の1人として、皇太子妃が取り上げられます。中森は映画のテーマ曲に触れながら、「皇太子妃が『ありのまま』で生きられないような場所に、未来があるとは思えない」と言い切りました。この原稿は、「中央公論」から掲載を拒否され、ネットや「サンデー毎日」に掲載されたそうです。うん、「中央公論」は皇室問題で痛い目に遭っているから、そりゃあ掲載を拒否するわな。まあ、情けないけど。このあと、上野千鶴子や赤坂真理の著作が紹介され、皇室論が続きます。

皇室問題はいろいろ考えることがあるのですが、憲法擁護義務を負う公務員の一人なので、コメントは差し控えます。ただ、論壇時評の最後の段落を紹介します。

 皇太子の移動のための交通規制で足止めを食った堀江貴文が、「移動にヘリコプターを使えば」とツイートした。それに対して、皇室への敬愛が足りないと批判が殺到した。皇太子のことを何だと考えているのかという質問に、堀江は簡潔にこう答えた。

「人間」

いいこというね。ホリエモン。

本当に皇室を敬愛しているのなら、事あるたびに日本国憲法の尊重を口にされる今上天皇の意思を大切にしませんか、自称「愛国者」の方々。

ちなみに、私は皇室を敬愛しているわけではありませんが、現天皇はまさしく戦後の平和主義を象徴する類い希なる人格として尊敬しています。

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