書記長日記

戦前史の真相

こんにちは、TKDです。

昨日、特定秘密保護法が施行されました。18時15分から駅前で抗議集会がひらかれ、寒空の下300人が集まりました。KNBがしっかり報道してくれました。ネットで見られます。朝日新聞では全国版に写真が載りました。北日本、富山、北陸中日新聞も記事にしました(富山新聞の記事は中身がなかったのですが)。一方、BBTやチューリップテレビは施行の日に行われた行動にもかかわらずニュースとして報じませんでした。情けないです。

戦前史ここ数日、元外務官僚の孫崎享さんと新右翼・一水会顧問の鈴木邦男さんの対談を収めた『いま語らねばならない戦前史の真相』(現代書館)を読んでいます。2人はともに昭和18年生まれ。いまの日本の社会に危機感を持ちながら明治維新から敗戦までの歴史を分析します。私が納得した部分を紹介します。まず、孫崎さんの言葉。

 往々にして、おかしな状況に入っているときには、おかしいからこそ、そのおかしさを指摘する勢力に対する弾圧が強まります。大正時代には、治安維持法というかたちでそれが出てきました。経済や国際関係の諸問題を解決するためには、選択肢を広げなければいけないのに、自分たちの政策を正当化するために日本社会をギュッと狭めようとしたのです。社会の持つ柔軟性・多様性を縮めていったときの怖さというものを、大正時代が示しているのだとと思います。

 最も恐ろしい社会状況とは、ある一方向、冷静に考えればおかしい方向に突き進んだときです。さまざまな思想が生まれ混沌としていれば、混乱はあっても、あるグループだけが権力を持って、その他の人たちを弾圧するような恐怖社会は発生しません。ところが、社会が一体化してどこかに暴走を始め、国家としての一体感を流用し、暴走の惰性を使ってすべての異論を排除しながらある方向に行き始めたとたんに、その社会はまともではなくなっています。

この選挙で安倍首相と自民党は「この道しかない」という言葉をキャッチフレーズに使っています。選挙に勝てば、安全保障でも「この道しかない」と突っ走るのではないでしょうか。続いて鈴木さんの言葉。

 新聞やテレビが分かりやすい解説をして、都合の悪いことは何でも政治家のせいにして、政治家を替えればいいと言う。でも替えたってもうたいした人材がいないから、政治家を替えることで国を大きく変えるのは無理だ。この程度で我慢するしかない、そういう状況がだんだん分かってきたというのが、いまの日本人の政治への意識じゃないですか。いま安倍政権が支持されていますが、この日本の状況は十年、二〇年前だったら内閣打倒ものだったでしょう。それが起きないのは、民主党政権があったからです。「打倒したって、もっとひどくなるだけだ。民主党を見たら分かるだろう」と諦めている。それでみんな我慢しているだけです。

私は、自民党が民主党よりましだとは到底思えませんが。でも、大方は300議席をこえるという予想です。怖いのは、いまの日本人が勝ち馬に乗りたがることです。貧すれば鈍す。昔は、勝たせすぎたらいけないという、逆バネが働いたのですが。さて、今回はどうなるか。

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