こんにちは、TKDです。
昨日から今日にかけて高校生平和作品展が開催されました。来場してくださった方、ありがとうございました。今日は午後2時から表彰式があり、選者の方の講評、受賞者3人のスピーチなどの後、富山市在住のトムスマ・オルタナティブさんのパフォーマンスもありました。講評の中で印象に残ったのは、2つの作品から触れて「目の力」について触れ、目には発進力と受信力があり、受信するときには「嘘」を見抜く力を持たなくてはいけない、と言われたことでした。「今の世の中に、あまりにも嘘が多い」と言われ、安倍首相の「汚染水は完全にコントロール下にある」という発言も例として出されました。
嘘ということであれば、百田尚樹もひどいのですが、なんといってもヘイトスピーチで有名になった在特会(在日特権を許さない市民の会」が言う「在日特権」でしょう。ネット上で在日朝鮮・韓国人には特権があると吹聴し、東京や大阪のコリアンタウンに人を集めて、そこに住む人たちを大声で口汚くののしる。彼らは誇らしげにネット上にその様子をアップしているので、興味がある人は見てみてください。人間の醜さを目の当たりに出来ます。この在特会に集まるのがどういう人たちかは、安田浩一の『ネットと愛国』に詳しく描かれています。普段の生活ではおとなしい彼らが、差別する側に立った瞬間、自らのストレスを発散するために、弱者に対して牙をむく、そんな様子が丁寧にルポされています。
そして、在特会が主張する在日特権が全くの嘘であることを、論証していくのが野間易通の『「在日特権」の虚構』(河出書房新社)です。在特会が特権だと主張する特別永住資格や年金問題などを、歴史的な経緯を含めて事実を明らかにし、特権どころか差別の中で苦難の道を歩んでいる在日の人々の状況を描いていきます。私自身は在特会が言っていることが嘘っぱちであると思っていましたが、あえてこの本を読んだのは、ネット上に嘘が氾濫しているからです。根拠のないでまかせがコピペで次々と伝わっていきます。恐ろしいことです。そして、差別の苦しみの中にいる人々に、さらなる屈辱と恐怖を与える。私は民族主義者ではありませんが、もしそうなら彼ら在特会を「日本人の恥」と呼ぶでしょう。
野間さんはナチスの宣伝相・ゲッペルスの「嘘も十分に繰り返せば人は信じる」という言葉を引用しています。放射能汚染水についての首相の言葉といい、南京大虐殺についての百田尚樹の言葉といい、社会的弱者に対する在特会をはじめとするネット右翼のヘイトスピーチの数々といい、嘘が繰り返されています。それを見抜く力が求められている時代です。