書記長日記

半田滋さんの講演から

こんにちは、TKDです。

今日は、書記局から一番遠い高校へ。片道50数キロありました。でも、途中の信号が少ないので1時間20分で到着。オルグの後は、若い未組合員に声をかけさせてもらい、さらに旧知の校長・教頭と話。満足して帰途につきましたが、帰りはバックミラーを見ても真っ暗。ここを毎日通勤している人は大変だろうなと思いながら車を走らせました。

ハンナ・アーレントの話の続きを書きたいところですが、先に半田滋さん(東京新聞)の講演の話を書きます。ちなみに、今日の新聞で昨日の講演を報じていたのは北陸中日だけ。やはり、他紙の論説委員の講演は無視なのか。でも、KNBが夕方のニュースで放送してくれたようです(ネットで確認しました)。さすが、ローカル局の中では一番リベラルなKNBです。

さて、半田さんの講演がメチャクチャおもしろかったのは前回書きました。語り口もいいです。深刻な問題を語っているんだけど、明るい。学ばなければ…。内容も充実していました。20年以上防衛庁・防衛省を取材してきただけあって、具体的な話が(裏話も含めて)どんどん出てきます。その中で印象に残ったことをいくつか紹介します。

昨年の参議院選挙後、解釈改憲で集団的自衛権を可能にしたい政府は、内閣法制局長官の首をすげ替えました。集団的自衛権容認派の外務官僚を新長官にしたのですが、これまでの長官は、局の中で憲法解釈を扱う第1部の部長を務め次長を経験し、20年以上憲法解釈に携わってきた人が就いてきたそうです。ところが、1日たりとも経験したことがない外務官僚を、自分の意見に賛成だからということで新長官に。さすが、安部チャン。

これまた、参議院選後につくった日本版NSC(国家安全保障会議)。前進は、安全保障会議で、閣僚9人で構成されていました。それを国家安全保障会議にしたことで何が変わったか? メンバーが閣僚4人(首相、官房長官、外相、防衛省)になったのです。これで、首相の思いのままです。さすが、安部チャン。

集団的自衛権も含め安全保障について協議する首相の審問会議・安保法制懇(安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会)。メンバー13人中、憲法学者は集団的自衛権を認める学会の異端、西修・駒大名誉教授ただ1人。司法試験に合格した法律家は1人も入っていない。国宝の建築物を修理するのに、日曜大工を集めているようなもの。さすが、安部チャン。

集団的自衛権が必要だとされるケースとして、共同作戦をとる米軍艦艇が攻撃された例が出されるが、あり得ないケース。潜水艦を発見するために艦隊の艦艇同士は10~15キロ離れて航行する。受ける攻撃は魚雷かミサイル。どちらにしても10キロ以上離れた艦艇を助けることは出来ない。

イラク戦争では、自衛隊は非戦闘地域で活動していたが、帰国後、陸自と空自あわせて25人が自殺。米国には退役軍人庁があり、戦争での負傷や後遺症に対応している。その予算は年間5兆円。日本の防衛費4兆8000億円より大きい。軍隊を持って戦争をするということはそういうコストも伴うということ。

トリックまだまだあるのですが、ここまで。詳しくは半田さんの著書『集団的自衛権のトリックと安倍政権(高文研)をお読みください。

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