書記長日記

震える牛

こんにちは、TKDです。

今日が勤務だった人、多いと思います。学年末考査の最終日だったり、卒業式だったり。私は久しぶりにゆっくりできた1日でした。働いていた人、ごめんなさい。

今週は拡大評議員会と県教委交渉があり、結構ヘロヘロでした。評議員会が終わったあと、マッサージ店で60分もみほぐしてもらい、その後、本屋に行って、3冊購入しました。相場秀雄『地の轍』(幻冬舎文庫)、國分功一郎『来るべき民主主義』(幻冬舎新書)、「atプラス19」(雑誌、特集は『公開制と秘密)です。昨日から今日にかけて、『地の轍』を読了しました。警察内部の刑事部と公安部のドロドロの対立がおもしろかったです。

震える牛相場秀雄は一昨年に出た『震える牛』(小学館文庫)が評判になりました。食品偽装の問題を背景にしたミステリーで読み応え十分だったのですが、その中で登場人物が書き残した言葉が印象的だったので紹介します。

『幾度となく、経済的な事由が、国民の健康上の事由に優先された。秘密主義が、情報公開の必要性に優先された。そして政府の役人は、道徳上や倫理上の意味合いではなく、財政上の、あるいは官僚的、政治的な意味合いを最重要視して行動していたようだ』

『直面している大きな課題は、市場の道徳観念の欠如と効率性とのあいだで、しかるべき落としどころを探ることだ。自由を謳う経済システムは、しばしばその自由を否定する手段となってしまう。二十世紀の特徴が全体主義体制との闘いであったとすれば、二十一世紀の特徴は行き過ぎた企業権力をそぐための闘いになるだろう。極限にまで推し進められた自由市場主義は、おそろしく偏狭で、近視眼的で、破壊的だ。より人間的な思想に、取って代わられる必要がある』

『そもそも消費者とは、われわれ全員のことだ。この国最大の経済的集団であり、どんな経済決定にもことごとく影響を受ける。消費者は重要視すべき唯一の集団である。 しかし、その意見はないがしろにされがちだ。政府はいかなるときも、消費者の①知らされる権利 ②選ぶ権利 ③意見を聞いてもらう権利 ④安全を求める権利を擁護 しなくてはならない』

登場人物の筆を借りていますが、作者・相場秀雄の訴えたいことです。まさしく、今の時代に噛みしめたい言葉です。お薦め本ですので、ぜひ一読を。

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