こんにちは、TKDです。
先週の木曜は分会代表者会議を終えて、すぐに大都会という映画館へ。ろうきんのサマーナイトシアターであいさつをしてから帰宅。翌金曜日は東京へ行き、全教の全国代表者会議に出席。今日、久々に書記局に来てびっくり。サマーナイトシアターで、「ゴジラ」が機材トラブルで上映中止になったんですね。知りませんでした。せっかく来て下さった方々、ごめんなさい。他の映画を見れる鑑賞券を配られたとはいえ、せっかく時間をあけて見に来られたわけですから、がっかりですよね。世の中、何が起こるか予想できません。
さて、東京では本屋へ行って2冊ゲット。1冊は前にも紹介したjournalismという雑誌。もう1冊は柏木ハルコ『健康で文化的な最低限度の生活』(ビッグコミック)というマンガです。言わずと知れた憲法25条の生存権を明らかにした条文。この25条を保障しているのが生活保護制度です。マンガはある役所の福祉科に配属された新人たちが、生活保護受給者(または受給希望者)と否応なくかかわっていく話です。
『美味しんぼ』の「福島の真実」編の最終回が載っているビッグコミック・スピリッツを買ったことは、これも前に書きましたが、その中にこのマンガが載っていて、コミックになるのを楽しみにしていたのです。でも、内容的には物足りません。今のところ、悪名高き「水際作戦」が描かれていないからです。日本の生活保護の捕捉率は20%台。必要としている人の多くを、窓口段階で追い払っています。そういう中で、保護を受けられずに餓死するという痛ましい事件が起きているのは報道されているとおり。しかし、役所に取材しているからか、そういう「不都合なこと」は描かれていません。ただ、もしかしたら、これから描かれるのかもしれませんが。
私が驚いたのは、生活保護のケースワーカーに5人もの新人が配属されたこと。都会だからかもしれませんが、大学で特に専門的に福祉を学んできているわけでもない若手が、いきなり1人で110人もの担当になり、引き継ぎの間はベテランと一緒に受給者の家庭を回るものの、すぐに一本立ちを要求されます。確かに、私たち教員も新採ですぐに生徒の前に立つわけですが、一応教員免許を持ち、教育実習を経験し、教員になることを覚悟しています。しかし、役所の採用試験を受験した人は、本人の希望に関係なくあちこちの部署に配属されるんでよね。ただ、デスクワークと違って、人相手、しかも様々な困難を抱えた人を相手にするのは、経験があっても大変なこと。それが、研修もなく、いきなり福祉科に配置です。主人公は着任早々、担当している受給者が○○(ネタバレになるので伏せ字)するという悲劇に見舞われます。
児童相談所の職員もそうですが、しっかりとした研修と、常に複数で対応できるような人的配置が必要だと思うのですが、こういった現場をよく分かっていない素人の考えなのかもしれません。そもそも、根本的に人が足りないのは、行政改革の中での公務員削減が原因ですしね。
コミック第1巻の最終話は、奇しくもビッグコミックスピリッツで読んだ話。「私は生活保護なんか受ける人間ではない」と就労に力を入れる若い母親と、その担当の新人男性ケースワーカー。ケースワーカーは就労を励ましますが、キャリアカウンセラーは母親の姿に不安を覚え、ケースワーカーとは逆のアドバイスをする、というところで次回に続きます。とりあえず、このマンガを(次巻も)読んで、生活保護の窓口側にいる人々の仕事と心情を見つめていこうと思います。