こんにちは、TKDです。
今日は全人連の教育職モデル賃金表が全教から届きました。今年度は若干のプラスですが、来年度の「総合的見直し」を反映した給料表は平均2%の削減ですから大きいですね。特に50代にとっては。なんとか食い止めたいと思っています。
さて、8月始めの従軍慰安婦の検証記事以降、朝日新聞が叩かれています。これについては以前も、従軍慰安婦が存在したという事実自体は揺らがない旨を書き込みました。ただ、朝日が叩かれすぎてナーバスになっているのか、迷走しています。週刊文春や週刊新潮の悪意に満ちた広告を掲載拒否するのはまだ理解できますが(とはいえ、言論機関ですから掲載した上できちんと反論した方が誤解を生まないと思うのですが)、「謝罪すべきだった」とした池上彰のコラム(「池上彰の新聞ななめ読み」)を掲載拒否したのはまずいですね。池上氏本人の連載中止申し入れや、社内の記者からも含め反対が相継いだことを受けて撤回し、1日遅れで今日の朝刊に掲載されました。読んでみましたが、特に問題があるとは思えません。池上氏が批判しているのは、済州島で強制連行を行ったという吉田証言の信憑性に疑義が生じてからの対応の遅さと検証の不十分さ、「慰安婦」と「挺身隊」の混同に気づいてから訂正を出さなかったこと、そして検証記事で過ちを認めながら謝罪がなかったこと、などです。私自身はこの場合「謝罪」にそれほど大きな意味があるとは思っていませんが、意味があると思う人がいても不思議ではありません。池上氏は、「『慰安婦』と呼ばれた女性たちがいたことは事実です」とも言っていますから、文春や新潮のように事実そのものを歪曲しようとしているわけでもありません。そもそも、このコラムは全国紙各紙の報道を読み比べて、どれかを贔屓することなく批評するのが持ち味で、今までも朝日が批判されることはありましたし、そこが魅力でもあります。今回、一度は掲載拒否したことは、朝日新聞に大きな傷をつけたと思います。
ただ、私が気になっているのは、むしろ福島第1原発の所長だった故・吉田昌郎さんの証言についての記事です(ここでも「吉田証言」です。朝日にとって「吉田」は鬼門か)。政府が非公開とした証言記録を朝日は手に入れ、5月に「吉田所長の第1原発内で待機せよという命令に違反し、9割の職員が第2原発に撤退した」と報道したのです。先月末に共同通信が証言記録を手に入れ、「命令違反ではなかった」と報道しました(富山では北日本新聞が8月31日に報道)。第1原発内では線量が高くて待機できるところがなく、総務班長の判断で第2原発に待避したようですが、吉田所長は「考えてみれば2F(第2原発)に行った方がはるかに正しいと思ったわけです」と証言しており、命令違反という認識はしていません。朝日が意図的に証言の一部(「ほんとうは私、2Fに行けとは言っていないんですよ」)を切り取って「命令違反で撤退」と報じたのなら、この方が問題です。それにしても、産経新聞や文春・新潮といった輩は、この問題でも朝日の報道を「反日」と報道しています。本当かどうかは別に、東京電力の批判をすることがなぜ「反日」になるとは、理解不能です。反知性主義がはびこっていますね。
ちなみに、私は朝日新聞のファンでも何でもありませんが、全国紙の中ではまだ信頼できる新聞だと思っています。読売はひどいですから。でも、一番のお気に入りは北陸中日((東京では「東京新聞」。中日新聞の系列)ですけど。