書記長日記

桜と新幹線

桜と新幹線書記局前の桜が、今春最後の咲き誇りを見せている。久々の青空の下、やはり美しい。ふと見ると、桜並木の向こうに新幹線が走り過ぎて行く。

富山県は県職員に対し、「首都圏方面への旅行に伴う飛行機利用について」という通達を出した(3月30日)。これは「県職員が首都圏方面に旅行する場合は、北陸新幹線より『特割』による飛行機の方が経済的だから飛行機を利用すべし」という通達だ。

新幹線建設のために我々県職員の給料が長く削減され、ようやく完成したら、「新幹線は高いから、県職員は出張では使うな」とのこと。「飛行機の富山・東京便を持続させるため」との意見もあるが、常識的に考えて、理不尽で馬鹿げている。そもそも県財政を逼迫させた一因は新幹線建設だ。新幹線料金が在来線より高くなるのは始めから分かっていたはず。「財政状況が厳しい中、首都圏への出張経費が高くなるのは困る」のならば、新幹線建設には最初から反対すべきだったはず。飛行機料金を「早割」で引き下げるために新幹線を作ったのか。県民「悲願」の新幹線ができたら、「料金が高いから県職員は利用するな」という言い草は余にも馬鹿げている。

「願わくば花の下にて春死なんその如月の望月のころ」と西行は詠んだ。春の陽光の下、桜の向こうを走る新幹線を見ていると、このような「通達」への怒りが沸々とわき上がり「憤死」しそうになる。しかし、ここで死んではならぬ。高教組がやるべきこと、言うべきことは、まだまだ山積しているからだ。 (高木哲也)

 

 

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