書記長日記

越後・春三題

 

チューリップが花咲く候である。ゴールデンウィーク初日の4月25日(土)、越後に向けて家人と車を出した。チュ-リップが富山の県花であることは周知の通りだが、新潟の県花でもある。まずは、五泉市のフェスティバル会場へ向かった。チューリップが150万本咲いているとのこと。ところが、途中のラジオで、「砺波市には250万本咲いている」と聞いて、行く気が失せた。

越後①庭園 そこで、予定を変更して北上する。向かうは新発田市。ここに「清水園」という名庭がある。旧新発田藩下屋敷大名庭園だ。新緑の庭は、誠に美しい。訪問者も少なく、じっくりと庭園を観賞できた。売店には名物の「穴の空いていない麩」が売られており、珍しさもあって、購入。隣の足軽長屋も見て回る。

原油 その後は、胎内市へ。胎内フラワーパークで、せめて、チューリップを見ようという魂胆だ。しかし、入り口が閉まっている。土産を買おうと立ち寄った地域活性センターも閉まっている。どうも、調べた『るるぶ』が古すぎたようだ。1997年版だ。トホホ…である。やはり、情報は新しいモノに限る。仕方がないので、シンクルトン記念館へ。石油に関する資料館らしい(これも『るるぶ』情報だが)。シンクルトンとは、明治時代にここで原油採取を指導した英国人とのこと。行って驚いた。天然ガスが記念館前の水溜まりから自然発生している!ライターで火が付くのだ。スタッフのオッサンの案内で、記念館裏手の「油井戸」から原油を汲み出してもらう。地表近くに石油があるのは、地殻変動のお陰らしい。古くは「臭水(くそうず)」と呼び、天智天皇に献上した記録が『日本書紀』にあると言う。さすがは「石油の越後」である。だが、地面からフツーに天然ガスが自然発生している状況は、近所の住民にとっては危なくないのだろうか。フッと煙草を一服したら爆発―気を付けなくてはならぬ地域だ。越後②

 最後に、村上市へ。グルメならば知っているはずだが、ここは鮭の加工品の名産地だ。「鮭の酒びたし」は酒の肴の名品。市内老舗の「喜っ川」へ向かう。店の奥には、乾燥させるために鮭がズラリとぶら下がっている。壮観であり、また、実に美味そうだ。土産には、「鮭の酒びたし」に加えて「鮭の焼漬」(地元の食べ方)と「鮭の生ハム」(これはレア!)を購入する。実にリッチな気分に浸る。いつか、ここ村上市に泊まり、じっくりと鮭料理と銘酒を味わいたいものだと思う。ところが、帰宅後、地元・村上市の銘酒「〆張鶴」を買い忘れたことに気づく。う~ん、これは大失態だった。

実に佳き越後の春の一日。やはり、旅は「人生の香辛料」である。

 

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