それは今朝のこと。書記局前で、1人の車椅子の高齢者の男性(80歳近くか)が、横断歩道前の道路の段差にひっかかって倒れた。車椅子は車道を転がっている。丁度その場にいた私は、慌てて車椅子を確保した。通りがかりの中年の女性の方が駆け寄ってこられ、男性に「大丈夫ですか」と声をかける。歩いていた男子高校生も慌てて駆け寄ってきた。皆で男性を抱きかかえ、車椅子に再び乗せてあげた。
この男性は、小雨の中、雨合羽を着て車椅子に乗っておられた。ペットボトルのお茶と少しのお菓子も持参。朝からどこに向かっているのだろう、家には居ることが出来ないのだろうか等の疑念が湧いた。それぞれの家には、それぞれの家の事情があるだろうが、気になった。
私たち健常者にとって、道路の多少の段差は気にならない。しかし、高齢者の方々にとっては大変な障害となることを改めて確認した。
世は高齢社会。クルマを運転していても、高齢者のドライバーが目立つ。恵まれた高齢者の方々はよいとしても、困難を抱えた高齢者の方々に、この社会は生きやすいだろうか。高齢社会に生きるために極めて重要なものは、私たちの「他者への配慮」、「社会的弱者への想像力」だと思う。世の基準を「弱い立場の人」に置かなくては、社会全体が立ち行かない。
こんなことを改めて思った朝である。