こんにちは、TKDです。
センターテストの国語の問題を解いてみました。結果は…間違えまくりました。151点でした。お恥ずかしい。現場から離れて3年近く、その前の6年間は定時制で難しい古文・漢文を読む機会がなかったとはいえ、評論文でも間違えたのだから言い訳はできません。ただ、平均点は低いようですね(さりげなく言い訳してる)。地元紙の「試験問題の分析」で、河合塾が「やや易化」としていたのは何なんでしょうか。
さて、今日の朝刊には籾井(もみい)NHK会長が、従軍慰安婦はどこの国でもあったこと、と発言したという記事が1面に出ていました。不思議なのは、こういう発言をすることがどのように影響するかを、この人は考えないのかということ。
もちろん、事実認識そのものも間違っているのですが、それとは別に、自分の発言の影響を推測し適切な発言を行うことは、トップの必須条件だと思うのですが。元東京都知事が自らの劣情や差別意識を率直に口に出して以来、外に向かって「言ってはいけない」ことの区別がつかなくなってきていると思います。今や、街中で大勢が集まり「朝鮮人を殺せ!」「死ね!」と叫ぶ時代になりました。恥ずかしい限りです。あっ、NHK会長の発言が差別意識に基づいたものかはわかりません。あくまで、言っていいことといけないことの区別をつけられない判断力の低さと良識のなさを問題にしています。
さて、そのNHKですが、すっかり政府の広報と化しています。特にニュースウオッチ9がひどいですよね。もともと国会がNHKの予算承認権を持っているため、政府・与党の顔色を見る体質を強く持っていました。ただ、あからさまな政府寄りの報道は控えてきたし、番組の作り手には優れた問題意識を持った人も多く、良心的な番組が作られてきたことも事実です。
3.11の原発事故の時は民放と同様、政府の発表を垂れ流していましたが、その後、スポンサーに縛られて原発への批判的な報道がしづらい民放を横目に、現地の放射能汚染状況や、原発が国策として進められてきた歴史、国際的な動きなどを放送しました。
しかし、圧力がかかったのでしょうね。途中から、福島の原発事故を取り上げる番組が消え、代わりにチェルノブイリの事故を検証する番組が目立つようになりました。作り手としては、それによって福島での問題を類推してほしいと願ったのでしょう。ところが、そういう番組すらなくなり、原発や放射線についての番組は消えてしまいました。それがいつ頃かは正確に言えませんが、やはり安倍政権になってからだと思います。
節度というものがない安倍政権の姿勢と軌を一にして、NHKの放送も節度がなくなりました。現政府はマスコミ対策にものすごく力を注いでいます。それをまともに受け、今やNHKは完全に政府の広報です。一昨日22時からのNHKスペシャルは沖縄の基地問題を取り上げていました。予想通りでした。ゲストは小野寺五典防衛大臣。辺野古への移設反対の声は申し訳程度に紹介しながらも、基本は普天間基地の危険を除去しなくてはならない、そのためには辺野古への移設を進めなくてはいけないということ。
世論を二分した問題です。従来の「公正さを演じる」NHKであれば、双方の意見をある程度公平に採り上げ、それぞれのメリット・デメリットを紹介したはずです。ゲストにも、双方の立場の人を呼んだでしょう。ところが、ゲストは防衛大臣のみ。ひたすら政府の考え方を紹介する番組となりました。名護市長選挙の敗北で受けたダメージを和らげ、辺野古移設推進を図るために世論を味方にしようという政府の思惑通りの番組でした。
一方、2週にわたって土曜の晩に放映された「足尾から来た女」はとてもいい内容だったようです(「ようです」というのは、すみません、私が見ていないからです)。もはや、NHKの良心的な作り手は、フィクションの中でしか思いを伝えられないのかもしれませんね。