こんにちは、TKDです。
今日は書記局の新年会(昼食会)を行いました。職場近くの中華料理のお店で、その店の15周年記念アニバーサリーランチを食べました。お昼に書記局に電話をされた方、ごめんなさい。本当は、仕事の後の晩に開けたら良かったのですが、今はオルグの真っ最中。役員それぞれが夕方に散らばるので、昼食会となりました。だいたい、今頃に新年会をするのが遅すぎですよね。もうすぐ2月です。
さて、突然ですが、伊坂幸太郎が好きです。作品が出るのを楽しみにしています。しばらく新作が出ていないため、旧作を読み返しました。といっても、時間がないので短編です。「逆ソクラテス」、『あの日、僕と Boys』(集英社文庫)の中に収録されています。小学5年生たちの世界を描いています。担任の久留米先生は、子どもを決めつけます。この生徒は駄目な子だ、という具合に。それに反発を感じる転校生の安斎が、先生の先入観を崩そうといろいろな作戦を立て、それに語り手の加賀たちが協力します。
安斎は「教師期待効果」という言葉を口にします。教師が、この子は優秀だと思って接すると、その影響で本当に優秀になっていく。ということは、その逆もあるということです。実際にどれほど影響があるのかはわかりませんが、私自身が現場にいるとき、ずいぶん生徒のことを決めつけていました。そのことでたくさんの生徒を傷つけたと思うし、何人かの生徒の成長を妨げたかもしれません。反省するばかりです。40代も後半になってようやく、(子どもだけでなく)人間は変わるんだ、ということを実感するようになりました。できることなら、この思いを持って教員生活をやり直したいと思います。
さて、安斎は加賀に、決めつけて偉そうにする奴に負けない方法を教えます。それは、「僕は、そう思わない」と言うこと。その言葉を、「落ち着いて、ゆっくりと、しっかり相手の頭に刻み込むように」言うのです。
今、ネットの書き込みでは、近隣諸国や、その国籍を持つ人を誹謗中傷する言葉が氾濫しています。それをたしなめようとしたり、日本の問題点を指摘する人には「反日」のレッテルが貼られます。首相が同じ政治的信条を持つイデオロギー政治家なだけに、彼らは勢いづいているようです。こんな中で、「僕は、そうは思わない」と言う勇気が必要だし、その勇気がなければ、せめて内心で自分自身に言い聞かせることが大事だと思います。
昔、私から決めつけられた元生徒たちが、心の中で「僕は(私は)、そうは思わない」とつぶやいてくれていたら、と思います。