こんにちは、TKDです。
連休中に読みたい本、読まなければいけない本がたくさんあったのに、次男の友だちが置いていったマンガを読みふけっていました。少年ジャンプに連載されていた『スケットダンス』というマンガです。高校の中で困っている人を助ける部活動をしている3人組の活躍を描いた、基本ギャグマンガなのですが、3人の過去を回想する回では、それぞれが重い過去を持っていることがわかり、感動的です。で、ついつい読み進んでしまいました。今晩からはマンガ以外の本を読みます。
3日の土曜日には、以前の書き込みで紹介した『ロング・グッドバイ』の3回目を見たのですが、ちょっと残念です。重要な役どころの女優陣(小雪や富永愛)が下手なのです。あっ、もちろん私の主観です。本当に下手かはわかりません。男優陣はうまいのですが、この後も見続けるか(と言っても、あと2回なのですが)迷ってしまいます。10日の土曜日は名古屋へ出張なので、録画してまで見るかどうか、ですね。
さて、前回の書き込みで紹介した憲法講演会ですが、講師の西原博史さんは一昨年に、江戸川区の子ども未来館で小学生20人余りを相手に法律のゼミを行いました。講演でそのことに触れながら、憲法を暮らしの中で活かすには、権利に基づいた要求が重要だが、日本の小学生はそのことを教えられていない、という話をされました。「私は…がほしい。なぜなら…」という言葉を知らない、そういう言い方が教科書に出てくるのは中学の英語の教科書が初めてだそうです。しかし、小学生にそういう言い方(考え方)を教えた上で自分たちの問題について話し合わせると、驚くべき解決能力を発揮すると言うのです。そこでの話し合いも参考にして西原さんが書いたのが『うさぎのヤスヒコ、憲法と出会う』という本です。自分たちの周りでおきるいくつかの問題を、ヤスヒコと友だちのトーマスやリサが話し合うという構成になっています。例えば、クラス遠足の行き先を、多くの子たちはネズミランド(ディズニーランドみたいなものか)に行くことを希望していますが、リサは友だちのサンドラの家が経済的に苦しくて入場料を払えないことから「裏山で探検ゲーム」を提案します。トーマスはネズミランドに行きたがり、2人の間でヤスヒコは困ります。ここでは「最大多数の最大幸福」と「一人の権利」が対立します。本の中では、憲法を活かしながら解決に向かいます。この本は、今年4月20日の朝日新聞「天声人語」で紹介され、反響が大きく、その日のうちにネット書店で「在庫なし」となったそうです(出版社もそんなに売れるとは思っていなかったのでしょう)。小学生でも読めるように易しく書かれていて、しかも憲法の本質が分かる本なので、機会があったら読んでみてください。(なんだかんだ、マンガ以外の本も読んでいました。読みやすい本だからですね。)
話を聴きながら、3年前の講演で朝日新聞の伊藤千尋さんの話を聴いたときのことを思い出しました。日本国憲法と同様、戦力の不保持を謳った平和憲法を持つコスタリカでは、小学生が国や自治体を憲法違反で訴えているという話です。小学2年生の少年が校庭でサッカーボールを蹴って遊んでいて、そのボールが転がりどぶ川に流されていってしまい、彼はそこに柵がないから安心して遊べない、憲法違反だと訴えたのです。この訴えが正しいかどうかではなく、国民の誰もが憲法を意識し、何か問題があれば憲法違反の訴えを起こす。そして、その背景には、小学校で最初に習う言葉が“人は誰も愛される権利を持つ”であり、愛されていないと思ったら訴えることができる、ということが共通認識として国民に根付いているということが重要です。人が愛される権利を持つと教える国と、国を愛しなさいと教えようとする国、どちらがそこに住む人にとって幸せな国かは、自明です。伊藤さんの講演を収録した『活憲の時代』にはコスタリカのことも含め、憲法を活かして暮らす人々の話がたくさん出てきます。お薦め本です。