こんにちは、TKDです。
木・金と東京出張でした。金曜の晩に帰ってきて、女子サッカーのアジアカップを見ました。2日前のオーストラリア戦では大苦戦し、相変わらずワールドカップ優勝メンバーとそれ以外の選手との差が大きいことを痛感させられました。その中で、途中から入った木龍選手の動きは目を引きました。スピードと思い切りのいいシュート。サッカーについては全くの素人ですが、イマイチ思い切りの良さを感じられない若手の中で、彼女は魅力的に感じました。で、昨日のベトナム戦では先発起用され、後半に追加点を決めました。でも、豪州戦で見せたような思い切りの良さは感じられませんでした。ぜひ、今後の試合で力を発揮してほしいです。解説は松木安太郎。これは本当にうるさい。なぜ、この人が使われるのかが疑問です。ただ、ベトナム戦では、アナウンサーも解説の2人も、終始ベトナムの健闘を讃えていました。実力上位の側の余裕と見ることもできますが、相手をリスペクトする姿勢が感じられ、好感を持てました。この姿勢を表し続けているのが、キャプテンの宮間あや選手です。ワールドカップのアメリカ戦や、オリンピックのフランス戦で彼女のすばらしいスポーツマンシップを見せられ、以来ずっと尊敬し、応援しています。
さて、集団的自衛権です。首相のパネルを使った説明は薄っぺらな情緒に訴えるもので、現実的には想定できない、そして想定したとしても集団的自衛権とは関係のないケースであり、「これはひどい」と感じました。新聞も、東京(北陸中日)新聞や朝日新聞は当然猛批判していますが、県政「御用」新聞である北日本新聞も、多くは共同配信の記事とは言え、社説も含め批判的な記事を散りばめています。県政でなければ、権力批判はできるのですね。
その北日本新聞の本日朝刊に、文化学園大助教の白井聡さんの文章が載っていました。4月2日の当ブログで紹介した『永続敗戦論』の著者です。ぜひご一読を、と紹介しながら、中身については書くことをしないまま2ヶ月ほどが経ってしまいました。かわりに今日の記事を紹介することで、この期待の若手学者の鋭さを知ってもらおうと思います。記事のタイトルは「戦争もてあそぶ危うさ」です。
白井さんはまず、首相および周辺にいる人間たちの巧妙さを書きます。今後の与党協議の結果などに基づくと「仮定の話」にし、限定的であることが強調され、平和憲法を評価し「日本国家法が掲げる平和主義は、これからも守り抜いていきます」と言う。しかし、首相が一昨年に「みっともない憲法ですよ」とネット番組で語っていたことを指摘し、「この会見に誠実な言葉は何一つなかったとみて差し支えなかろう」と喝破します。そして「国民は深く深く愚弄されているわけである」と続けます。なぜなら「徹底的に上っ面だけの言葉が、あたかも日本国民の幸福と安全を心からこいねがう者の言葉であるかのごとくに発せられた。この程度に水で薄めておけば本質は理解できまい」と国民が見られているということだからです。
さらに白井さんは「なぜこの人たちの言葉にはかくも誠を感じられないのか」と問題提起した上で、その答えを「幼児性」だとします。
「男の子は一般に戦争ごっこが好きだ。無論、大抵の男は大人になる過程で戦争ごっこと実際の戦争との違いを理解する。この国の危うさは、これを理解できない人間に限って、現実主義だの何だのと大人ぶったことを言って粋がる傾向があるところにある。」
言葉の切れ味が抜群です。ぜひ本文を読んでみて、気に入ったら、今度は『永続敗戦論』を読んでください。