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日本の民主教育2014  教育研究全国集会2014実行委員会 編

 日本の民主教育 本書は、昨年8月に高松市で開催された「教育のつどい2014」の全3日間の報告集。初日の開会全体集会と6つの教育フォーラム、2日目以降の28の分科会の内容がまとめられ、最後には最終日の集会アピールが掲載されている。

 初日の開会全体集会では、東大教授の小森陽一と絵本作家の松本春野によって行われた「いま、憲法を守り、生かすー福島、平和、子どもたちに思いを寄せて」と題された対談が興味深い。対談中に小森が竹内浩三作「骨のうたう」という詩を朗読した(32頁)。竹内は、先の大戦で戦死した兵である。この詩を小森は「まるで、その後の戦後の世界をこの目でみたかのように書いて」いると評している(33頁)が、実に心打たれる詩だ。また、松本が福島に対する思いを語る部分(41~45頁)も参考になる。

 膨大な分科会報告では、富山高教組が関わった部分のみを記す。

 「国語教育」では、黒田圭さん(小杉)が「読む・書く力を鍛える『縮約』の実践」と題した報告を行った。その内容が本書59~60頁にまとめられている。「社会科教育」では、中川誠さん(雄山)が「富山県高等学校教育研究会公民部会の取り組み」と題した報告を行った。本書77頁にまとめられている。また、「環境・公害問題と教育」では、亀澤政喜さん(富山北部)の「授業『イタイイタイ病』の実践について」と題した報告が277~278頁にまとめられている。さらに、加藤栄一さん(水橋)が司会を務めた「国民のための大学づくり」では、加藤さんが属する中部・東海大学入試検討委員会からの報告が316~317頁にまとめられている。

 全357頁の本書を短期間に編集した実行委員会に敬意を表すとともに、「教育のつどい」の今後の隆盛を願う。

 〈評・高木 哲也〉

大月書店・2014年・2800円+税  (15年2月10日)

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