旅先から

福島を訪ねて第4弾 ~原発をめぐる問題点~ 

 原発事故からちょうど3年(2014年3月)

福島第1原発の南側、広野町・楢葉町・富岡町を訪ねました。

  

 広野楢葉富岡地図

  

 

 

 

 

 

 

最初に訪れたのが広野町です。

 福島第1原発から20~30km圏内にある町です。事故当時、町全域は緊急時避難準備区域に指定され町民は避難しました。2011年9月に解除されましたが、今もなお戻れない町民が多いという状況は、この町の深刻な現況を物語っています。

 

 広野町に入って、2本の大きなえんとつが目に入ります。これは、東京電力広野石油・石炭火力発電所です。

広野発電所 車窓から

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 福島第1原発から21kmほど南に位置し、地震の時大津波が押し寄せ、壊滅的な被害をうけました。被災直後復旧のめどは難しいと言われていましたが、夏の電力需要期を前にして、屋内退避圏内という被曝影響を避けられない状況下で、関係者の奮闘でなんと原発事故の3か月後には運転を再開し始め、7月には全面復旧し、首都圏の夏を救ったのです。そして、ここにも原発事故の犠牲労働者がいたという厳しい現実を知りました。

 

津波に襲われる広野発電所(読売新聞より)

 広野発電所 津波

 

  

 

 

 

 しかし、私たちは広野発電所のことをどれだけ認識しているでしょうか。なんと、最初に復旧した5号機は最も海に近い場所に位置する最新型の石炭火力発電所です。壊れても、安全に復旧し、原発とほぼ同じエネルギーを供給できるのです。20km先の原発の状況との違いをあまりにも感じます。新たに石炭火力発電所6号機が2013年12月に稼働し、5号機を上回る効率で稼働し、広野発電所全体では、440万kwの電力を作り出し、首都圏の電力を補う大きな力となっています。

 政府は、産業界にお金を生み出す「原発」を「ベースロード電源」とし、原発を何があっても使うとしていますが、高度な技術開発によって以前よりは高発電効率のクリーンエネルギーになっている石炭火力などを上手に利用しながら、近い将来、風力・水力・地熱・バイオマスなどの自然エネルギーへの移行がはかれるよう国の政策転換を切に望むばかりです。

 

 

原発20km圏内にある Jヴィレッジへ 

広野町と楢葉町にまたがって建てられています。

広野の位置

 

 

 

 

 

 

 

 

 Jヴィレッジはサッカーのナショナルトレーニングセンターでしたが、2011315日以降、原発事故収束のための前線・中継地点としての役割を果たしてきました。除染施設や資材置き場が、Jヴィレッジから原発周辺に移され、現在は作業員のバスへの乗り換えと使用したバスのスクリーニング、除染が主たる役割です。

j ヴィレッジ

 

 

 

 

 

 

 

ここから、バスで作業員は原発事故現場へ向かいます。 

 

jヴィレッジグラウンド

 

 

 

 

 

 

重機が置かれたグラウンド 

 東電は、福島第2原発がある楢葉町に130億で建設し福島県に寄贈。この建設費用は、首都圏の電気料金に上乗せするというしくみがあります。日本全国に、原発マネーで、原発立地の小さな村や町に、立派なハコモノがつくられています。このハコモノを維持するため、財政赤字が小さな村や町を襲うというところもあります。もし、これだけのお金を福祉や(必要以上に高額な学校建設でなく本当の意味の)教育や就労に役立てられるならば、どんなに人々は幸せでしょう。

 

 原発で働く作業労働者の多くが不当で不安定な雇用状況に置かれています。高濃度の放射能を放出する原発の廃炉・除染現場での作業の多くが、下請け作業員で行われています。彼らに対する賃金の未払いや労働災害の問題が横行しています。国からでているはずの危険手当が全く支払われないことも多いのです。2次、3次の下請け作業者の賃金の多くはピンハネされ、元請企業の労働者に支払われる金額よりずっと低い。非常に危険な労働であり、国の安全を守る重要な仕事であるのに、普通の作業労働者と変わらない賃金です。組合は当然なく不当な労働条件です。正式な契約書を交わしていないため、訴えることも難しいのです。個人加盟の組合に入るよう働きかけをしているそうです。

  

NHKスペシャル 廃炉への道 第2回「誰が作業を担うのか」では、原発労働者の問題を提起しています。番組の終わりで、チェルノブイリの労働者の状況が紹介されていました。日本とのあまりの違いに驚きます。番組の後半を紹介します。皆さんも日本の未来のために真剣にこの問題を考えてみてください。

 

100年後の廃炉を目指して石棺の建設がすすめられているチェルノブイリ原発の建設現場作業には、一日2000人が必要ですが、定員の3倍の応募が続いています。人材確保の計画は国の主導ですすめられています。事故後、チェルノブイリ原発の作業員と家族のために町がつくられ、人口は2万5000人、住居は無償で提供され、作業員の給料は一般労働者の1.5倍以上。50歳まで働けば国から年金が支給されています。被曝対策や徹底した健康診断が行われています。被曝線量や病歴などのデータは国が集め長期的な健康管理に生かしています。国が一元的に行う仕組みであるため、多くの作業員を長期間確保し続ける莫大なコストが財政を圧迫し始めていうという問題を抱えてはいますが・・・ 。

40年ともいわれる廃炉の入り口に立ったばかりの日本

多くの専門家は、廃炉を成し遂げるには社会全体で担い手を支えることが不可欠。もっと国がサポートしないといけない。ちゃんとした待遇を受けられるシステムを構築する必要がある。働きがいが感じられる、挑戦してみたいと感じる仕事、国民から信頼され期待されているという気持ちが若者に伝わる 

そして、国民全体としていまだに福島は存在するというのをもう一度理解しないといけない

小康状態を保っているのは福島で働いてくれている人がいるからこそ今の状況で収まっていることを忘れてはいけない。

原発事故の後始末廃炉。その最前線で闘う人をどう支えていくのか。

未来を切り開くために今向き合わなければならない課題です。

 

 

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